当院は、1991年に熊本で初めてレーザー施設を開設、あざのレーザー治療に長くたずさわってきました。
沢山のあざ治療の経験を基に、新生児から成人まで治療を行っています。
生後1ヵ月からレーザー治療は可能です。レーザー治療は皮膚が薄いほうが有効性が高く、成長とともに面積も広くなるため、乳幼児期での治療開始をおすすめします。3歳頃になると恐怖感から体動が激しくなり、安全に有効なレーザー治療を行うことが難しくなります。
あざによって必要があれば全身麻酔でのレーザー治療をご紹介したり、または一時中断し中学生以降に再開することもあります。

レーザー施術様子赤ちゃん
レーザー施術様子

乳児血管腫

乳幼児に最も多くみられる血管腫。以前は苺状血管腫と言われていました。多発することもあります。生後2-3週ごろに生じ、初めは淡い紅斑ですが、鮮紅色の隆起病変となり、“いちご”のような外観となります。6カ月頃までは増殖期と言われ増大傾向があります。それ以降は1歳頃から退縮期に入りゆっくり自然に退縮します。(7歳頃までに目立たなくなることが多い)一旦盛り上がると、瘢痕、萎縮、たるみを残して退縮することも多くみられます。

治療方法

生後1ヵ月〜ダイレーザー治療(皮下型は適応外)、増大傾向の強いものや目の周りなど機能的に問題が生じる部位のときはプロプラノロール内服治療もお勧めします。

ダイレーザー治療

  • 症例 手背
  • 症例 大腿部
  • 症例 皮下型

毛細血管奇形

毛細血管奇形は、皮膚や粘膜の毛細血管に異常が生じ、血管が増殖して発生する先天性の血管異常の一種です。皮膚の表面に不規則な形の赤い班がみられます。これらは、出生時から見られることが多く、自然に消退することはありません。成長とともに濃くなり、盛り上がることがあります。

治療方法

乳幼児期(生後1ヵ月〜)からダイレーザー治療を開始します。
部位によってはレーザー治療の効果が低いことがあります。また一旦消退しても、成長とともに再発することもあります。

ダイレーザー治療

  • 症例 足
  • 症例 上肢

異所性蒙古斑

蒙古斑は出生時よりお尻~背部に見られますが、異所性蒙古斑は手足や肩など通常の蒙古斑以外の部位に生じたものです。
自然に薄くなり、10歳くらいまでに95%は消えますが、肩、手、足、臀部横にあって、色調の濃いもの、境界がはっきりしているものは残存する可能性があります。

治療方法

乳幼児で色調が濃く残存する可能性がありそうなものは、レーザー治療を行います。(Qスイッチルビーレーザー、ピコ秒レーザー)

症例 異所性蒙古斑

太田母斑

顔面の目の周り、頬骨部、額などに片側性(時に両側性)に生じる青いあざ。目にも色素沈着を認めることがあります。
出生後早期~半年以内に現れることが多いですが、幼児期や思春期以降に現れることもあります。自然消褪はしません。アジア人に多いです。

治療方法

レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー、ピコ秒レーザー)、一度治療で消えたものが年月を経て再発することもあります。その際は、再度レーザー治療を行います。

Qスイッチルビーレーザー

ピコ秒レーザー

症例 太田母斑

扁平母斑

先天性または後天性(思春期頃)に生じる扁平な褐色斑です。
自然消褪はありません。増大傾向もありません。

治療方法

再発が多く、レーザー治療の効果が一定しません。レーザーで消退するのは1〜2割と言われます。保険適応のレーザー治療の中で有効性が低いあざです。
2回目まで保険診療でレーザー治療が可能です。

Qスイッチルビーレーザー

症例 膝


皮膚科で診療している主な症状